1979年10月:黒部別山東面・東南壁沢~スラブ状ルンゼ~P5ルンゼ下降

岩歩
19791005(1)_オオタテカビン沢1P目Ⅲ

19791004-07_黒部別山スラブ状ルンゼ(ルート図)

19791004-07_黒部別山スラブ状ルンゼ(断面図)

 

 

 

 

 

 

 

【member】私(CL)、I藤O

【装備】テント1張、コンロ1台、ガソリン2.3リットル、ザイル9mm×40m 2本、ハンマー各自、ボルト4本、ジャンピング1セット、ハーケン、カラビナ6枚、シュリンゲ、ヘルメット各自、ゼルプスト各自、軍手各自、ラジオ、天気図、ウール下着、メタ各自、コッヘル1、水筒各自、ロウソク2本、雨具各自、セーター各自、ウレタンマット1m×2m2枚、以下、各自、ルート図、地図、コンパス、ヘドラ、予備電池、マッチ、ライター、非常食

【食料】6日分+各自非常食3食

【行動計画】10/3 京都駅夜行発(ちくま3号)、10/4 信濃大町~黒四ダム~ハンノキ平(テント設営)~中ノカビン沢~P5ルンゼ下降~ハンノキ平(テント泊)、10/5 オオタテカビン沢~別山南峰~ハシゴ谷乗越~真砂(テント泊)、10/6 八ツ峰Ⅰ・Ⅱ峰間ルンゼ~八ツ峰縦走~三ノ窓(テント泊)、10/7 チンネ左稜線登攀~三ノ窓(テント泊)、10/8 早月尾根下山、10/9 予備日

【計画立案にあたって(1979/9/21)】
うわさによると、別山東面というのは長大なルンゼ、スラブが存在し、剣岳や穂高の既成ルートでは味わえない自由な登攀が可能だということである。また、ルンゼの側壁は2~300mクラスの未踏の岩壁が多いという。いささか自分に対して限界を感じていた私は、あたかもヨセミテの壁を登るがごとく(傾斜はゆるいが)、ピンのない広大なスラブを縦横無尽に登ってみたいと考えていた。そしてそれが可能だという別山のスラブを透きとおるような青空の下、陽をいっぱいに浴びながら駆けめぐっている自分を夢みるようになったのである。

アドバルーンは欲張ったほうがいい。さらにおもしろい山行にしようというので近くの丸山東壁、そして八ツ峰、剣岳とつなごうとしたのである。冬期のこのルートは屏風~北尾根~奥穂~滝谷~槍~北鎌尾根、奥鐘~不帰、etcの継続ルートに匹敵すると考える。今回は日程、メンバーの都合上、縮小せざるを得なかったが、基本的な考えは捨ててはいない。

目標として、
(1) 別山をとにかく見て雰囲気を知る
(2) さらに、手頃な岩壁の偵察
(3) 冬期をねらう上での八ツ峰経験
(4) 念願のチンネ登攀
(5) 継続登攀の経験

【問題点及び対策】
(1) トレーニング
技術トレーニングに関しては、9/29 金ピラ、9/30~10/1 藤内壁、10/2 金ピラを予定している。
(2) 悪天候
計画の優先順位を、①馬場島に下る、②別山を登る、③八ツ峰を登る、④チンネを登る、とし、対処する。アイゼン、ピッケルは持参しないので降雪があった場合には八ツ峰、チンネには取りつかない。しかし、根雪になるとは思われないので、一般夏道より剣岳~早月尾根はトレースするつもりである。

昭和54年(1979年) 10月4日(木)天気:小雨

#天気図

ハンノキ平は鳴沢小沢の合流点より少し下流の砂地の河原である。内蔵助谷出合から数カ所キャンプサイト、岩小屋がある。天気が悪く、予定の中ノカビン沢登攀は中止し、十字峡までの下の廊下の偵察に変更した。東南壁沢、中ノカビン沢、別山沢はすぐわかるが、その間の沢は、よく地図を見ていないとわかりにくい。滝、岩壁となって黒部川に落ちている。大タテカビン沢は、新越沢の合流点のすぐ下流で、道はF2の滝つぼを通っており、そのスラブ状の滝は対岸の新越沢のながめとともにすばらしく美しい。

【コースタイム】京都 3日 夜行 ちくま3号 ~ 松本 ~ 信濃大町 ~ 黒四ダム 9:15 ~ 10:10 内蔵助谷出合 10:15 ~ 11:20 ハンノキ平(BC設営) 12:20 ~ 14:30 十字峡 14:40 ~ 15:15 白竜峡 ~ 15:40 別山沢出合 ~ 16:20 大タテカビン沢出合 ~ 16:40 ハンノキ平BC(テント泊)

19791004_黒部別山概念図

19791004(1)_ダムより別山方面

 

 

 

 

 

 

 

19791004(2)_中ノカビン沢出合

19791004(3)_中ノカビン沢対岸の滝

 

 

 

 

 

 

 

19791004(4)_新越沢出合

19791004(5)_黒部別山沢出合

 

 

 

 

 

 

19791004(6)_別山沢下流対岸を見る

19791004(7)_十字峡

 

 

 

 

 

 

 

昭和54年(1979年) 10月5日(金)天気:曇りのち晴れのち小雨

#天気図

大タテカビン沢の取付は、京大山岳部の報告では左の凹角からブッシュ帯を高巻き、岳人の記録では滝右の凹角より滝上に出るルートをとっているが、我々はさらにその右のスラブを1P登り、ブッシュでビレーし(Ⅲ40m)、2P目で左にトラバースして滝上に出るつもりであったが、I藤君が右の岩壁によりすぎて行き詰まり、1P目終了点まで撤退、思わぬ時間を食ってしまった。左の方にはやさしそうなバンドがあり、ルートを誤ったことが悔やまれる。とにかく、時間がないこと、重荷での登攀は我々のパーティーでは苦しい事等の理由により、大タテカビン沢を断念した。そして、ルートファインディングの練習、確定されていないルートでのスピーディーな登攀の練習、東南壁の偵察、南尾根からのP5ルンゼの下降等の目的で、東南壁沢からスラブ状ルンゼを登ることにした。時間的には夕暮れまでにP5ルンゼ核心部を抜ける予定であったが、スラブ状ルンゼ取付までに予想以上の時間がかかり、午後からは視界がきかなくなったので、安全を考慮して南尾根終了点でフォーストビバークとなった。小雨の中でヤッケと雨具と少量の非常食だけのビバークはつらかったが、夜通し焚火をしながら耐え忍び、体力の消耗はそれほどでもなかった。

【コースタイム】5:00 起床(くもり) ハンノキ平 6:10 ~ 6:30 大タテカビン取付 6:55(晴れ)~ 8:00 2P目で退却 ~ 9:20 大タテカビン沢取付 ~ 9:40 ハンノキ平 10:00 ~ 10:30 東南壁沢出合 ~ 10:45 大チョックストーンの下 ~ 14:00 スラブ状ルンゼ取付(くもり)~ 16:50 南尾根終了点(P4~P5間)(ガス)フォーストビバーク

19791005_大タテカビン沢概略図

19791005_スラブ状ルンゼルート図

 

 

 

 

 

 

 

19791005(1)_大タテカビン沢1P目Ⅲ

19791005(2)_南東壁全景

 

 

 

 

 

 

19791005(3)_スラブ状ルンゼ取付き手前2P目

19791005(4)_東南壁

 

 

 

 

 

 

 

昭和54年(1979年) 10月6日(土)天気:ガス~くもり

#天気図

小雨の中、震えながらP5ルンゼの下降点を求めて南尾根を登る。P5岩壁の下に、大阪蒼稜会の赤布があり、そこから下降開始。懸垂6Pで緩傾斜のブッシュとなり、内蔵助谷へ出る。支点は最後の40mの滝には落ち口にボルトとハーケンが打ってあり、他は主に左岸側のブッシュを利用した。シュリンゲがかかっている。内蔵助谷は渡渉してすぐ上の登山道に出た方が圧倒的に楽である。

【コースタイム】ビバーク地 6:00(ガス)~ 6:15 南尾根P5岩壁下(P5ルンゼ下降点)6:20 ~ 8:50 内蔵助谷 ~ 9:20 渡渉開始 ~ 9:55 内蔵助谷出合 10:05 ~ 11:05 ハンノキ平BC(くもり)

19791006_P5右ルンゼ最終40m滝の下降

19791906_P5ルンゼ右俣下降図

 

 

 

 

 

 

 

昭和54年(1979年) 10月7日(日)天気:雨

#天気図

決定的に計画が遅れていること、天候が悪いことから、剣岳経由、馬場島への下山はあきらめ、黒四ダムに撤退することとした。

【コースタイム】ハンノキ平BC 9:00(雨)~ 10:00 内蔵助谷出合 10:05 ~ 10:45 黒四ダム下 10:55 ~ 11:30 黒四ダム

 

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